五七五が好きすぎて、数々の変則五七五も、大好物。文節的には七五五(例:愛されずして沖遠く泳ぐなり 藤田湘子)は言うに及ばず、下が字余りの五七六も大好きですし、上の字余りなんて六七五などとケチなことを言わずに、二桁音数+七五さえ、許容です。
で、今回とりあげるのは、中七から下五にかけて、リズムの工夫、というか、ネタを仕込んだ例。
三月のフレンチトーストと絵本 木田智美
さんがつのふれんちとーすととえほん
文節 ●●●●●●●●●●●●●●●●● 5 9 3
定型 ●●●●●●●●●●●●●●●●● 5 7 5
韻律 ●●●●●●●●●●●●●●●●● 5 7 1 1 3
実際に読むときは、意味から来る文節が、定型五七五に引っ張られて、
さんがつの//ふれんちとーす/と/と//えほん
この句のキモのひとつは、●●=「トと」の箇所。ステキなリズム。
とーすととすととすととすとと…
「とー」で溜めて、「すとと」は3連符で鳴らしてください。
で、「ぇほん」とアフタービートで。
掲句は『関西俳句会「ふらここ」作品集』(2016年3月)より。
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