2017/02/04

■フレンチトーストはどこで切り分けるのか

五七五マニアなのではないかと思います、自分でも。

五七五が好きすぎて、数々の変則五七五も、大好物。文節的には七五五(例:愛されずして沖遠く泳ぐなり 藤田湘子)は言うに及ばず、下が字余りの五七六も大好きですし、上の字余りなんて六七五などとケチなことを言わずに、二桁音数+七五さえ、許容です。

で、今回とりあげるのは、中七から下五にかけて、リズムの工夫、というか、ネタを仕込んだ例。


三月のフレンチトーストと絵本  木田智美 


    さんがつのふれんちとーすととえほん
文節 ●●●●●●●●●●●●●●●  5 9 3
定型 ●●●●●●●●●●●●●●●●●  5 7 5
韻律 ●●●●●●●●●●●●●●●  5 7 1 1 3


実際に読むときは、意味から来る文節が、定型五七五に引っ張られて、

  さんがつの//ふれんちとーす/と/と//えほん

となります。

この句のキモのひとつは、=「トと」の箇所。ステキなリズム。


とーすととすととすととすとと…

「とー」で溜めて、「すとと」は3連符で鳴らしてください。

で、「ぇほん」とアフタービートで。


掲句は『関西俳句会「ふらここ」作品集』(2016年3月)より。



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