忘年会のシーズンですね(とっくに)。
貰ひたるコルクの湿りコート着る 中山奈々
ワインのコルク栓を客に渡すというのは、西欧流のきちんとした店側のマナーなのかどうか知りませんが、これはとうぜん湿っている。乾いていたら、よほど管理が悪いってことです。
この句は、高級フランス料理店での出来事でもいいのですが、昨今は、居酒屋でもワインくらいは用意してます。
コートを着たのは、もう帰るから。
省略を効かせて、この季節のワンシーンをあざやかに、かつしっとりと描き出す。
掲句は『セネレッラ』第17号(2018年12月20日)より。
それはそうと、この一年を忘れるための酒宴とは、なんと手軽な(いい意味です)、またちょっと虚無も感じる慣習ではあります。
日本では、一年で水に流す。そういう文化です。除夜の鐘が鳴れば、不浄や悪徳は水に流されて、きれいな身心で一年を迎える。西欧では1000年かかるところを(千年王国思想)、わが国ではなんとその1000倍の素早さです。
ところで、この年齢になると、ほうっておいてもぜんぶ忘れてしまうので、忘年会の必要性はまったく感じません。悲しいのか嬉しいのかわかりません。
ラヴ&ピース!
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