多田智満子歌集『遊星の人』(2005年/邑心文庫)より。
六連發ピストルのなか輪になりて六つの夢のあやふく眠る 多田智満子
象徴作用や隠喩、過剰なドラマを招きやすい「ピストル」が、読者の掌中に収まるかのように確固たる事物として伝わるのは、ムダのない文体が硬質を構成/構造するからでしょうか。
夢が眠る、という言い方は、ごくふつうのようでいて、じわっとおもしろい。
こんな歌もあります、この本の94頁には。
石に眠る大イグアナのまぶたふるへ千年の夢さめゆくごとし 同
マヤ遺跡での一首。
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