2021/01/23

■ねむたさ

ねむたさの蠟梅に火のともりたる  くらげを

蠟の字を含むこの小さな花に火がともるという連想・幻想は、むべなるかな、なものであって、とくべつな意匠とはいえないが、気持ちよい軽さをもった趣向。それよりも句のアタマ。〈ねむたさのが〉、蠟梅にも、そして蠟の燃える炎にも掛かるように思え(あの花弁、あの蠟燭の炎、睡気を誘いませんか? ねむたがりすぎ?)、一句が、かんじよくまとまっています。

掲句は『連句誌 みしみし』第8号(2021年節分)より。

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