2016/02/23

■性別の話

汗まみれ、ではなく、蟻まみれ、なんです。

小池正博句集『転校生は蟻まみれ』(2016年3月/編集工房ノア)。

で、その書名になった句。

都合よく転校生は蟻まみれ  小池正博

この転校生の性別の話なのですが、私は、何も深く考えず、男の子を想像しました。

ところが、榊陽子さん(川柳作家)の記事は、女の子設定。

http://yoko575.blog.fc2.com/blog-entry-131.html

これ、単純に、びっくりした、というか、いや、「男の子に決まっている」と言いたいわけではなくて、読む人によって、違うんだなあ、と。

他の句をどう読んでいるか、つまり、上掲記事に「小池さんの句にときどき現れる少女がいる」とあるように、作家を全体で捉えるか、そうじゃないかの違いという可能性を残しつつも、これは、読者側の脈絡が大きいのではないかということも思います。つまり、「転校生」とだけ聞いて、思い浮かべる像がどんなものか、ということ。それは経験、記憶に大きく左右されるものでもあるでしょう。



試しに嫁はんに、この句を読んでもらいました。

まず、黙読したとたんに、大笑い。

次に口に出して再読。「あれまみれ、ありまむれ。あれ? 言いにくいね」

って、ぜんぜん言いにくくない。あ・り・ま・み・れ。それはいいのです。問題はそこではなくて、「男の子、女の子、どっちだと思った?」と聞いてみると、「男の子だね」との答え。


この句の「転校生」を男女どちらだと思うかは、読者の性別とは関係なようです(3例だけで恐縮な結論ですが)。









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