小池正博句集『転校生は蟻まみれ』(2016年3月/編集工房ノア)。
で、その書名になった句。
都合よく転校生は蟻まみれ 小池正博
この転校生の性別の話なのですが、私は、何も深く考えず、男の子を想像しました。
ところが、榊陽子さん(川柳作家)の記事は、女の子設定。
≫http://yoko575.blog.fc2.com/blog-entry-131.html
これ、単純に、びっくりした、というか、いや、「男の子に決まっている」と言いたいわけではなくて、読む人によって、違うんだなあ、と。
他の句をどう読んでいるか、つまり、上掲記事に「小池さんの句にときどき現れる少女がいる」とあるように、作家を全体で捉えるか、そうじゃないかの違いという可能性を残しつつも、これは、読者側の脈絡が大きいのではないかということも思います。つまり、「転校生」とだけ聞いて、思い浮かべる像がどんなものか、ということ。それは経験、記憶に大きく左右されるものでもあるでしょう。
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試しに嫁はんに、この句を読んでもらいました。
まず、黙読したとたんに、大笑い。
次に口に出して再読。「あれまみれ、ありまむれ。あれ? 言いにくいね」
って、ぜんぜん言いにくくない。あ・り・ま・み・れ。それはいいのです。問題はそこではなくて、「男の子、女の子、どっちだと思った?」と聞いてみると、「男の子だね」との答え。
この句の「転校生」を男女どちらだと思うかは、読者の性別とは関係なようです(3例だけで恐縮な結論ですが)。
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