2016/02/26

■そんなわけない出目金

『川柳木馬』第147号(2016年1月)より。

秀才の飼う出目金は喋ります  西川富恵

そんなわけないやろ! という句。

ボケれば句になる、というわけではなくて、可笑しみがどこから来るのか、そのへんは微妙かつ謎。

この号のこの作者には、他にこんな句も。

三人目の陽炎笛を吹きながら  同

萬金丹おまえいつからそこにいる  同

萬金丹は伊勢のみやげ

海深くニーチェの馬は泳ぐかな  同

ニーチェと馬のエピソードを深海に持ってくると、哀しみが増す。

この句の筆致・口吻には、川柳よりむしろ俳句を感じます。「かな」効果というだけかもしれませんが。




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