毛布の中から何を見ている体(てい)は、なぜだか、「かつて」感、過去の「とある日」感が強い。理由はわからない。めずらしくもないが、いつもではない、ずっとではない、頻繁ではない、そうした日常と非日常のあわいのような出来事に思え、それが過去のある一点に気持ちを向かわせるのかもしれません。
そういえば、こんな句もあります。
毛布からのぞくと雨の日曜日 加藤かな文
ただ、考えてみれば、多くの俳句は、この「とある日」感をまといつつ、日常と非日常のあいだに存するとも言えそうです。
掲句は『鷹』2016年2月号より。
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