『豆の木』第20号(2018年5月20日)がすでに刊行され、手元にもあるのですが、第19号で書いておきたいことがあるので(積み残し)、ちょっと書きますね。
(つまり、去年の話をするわけです。
ラヴ&ピース!)
極月の眼科まっしぐらに光る 小野裕三
強→強→強→強、と攻め立てる。メリハリなど知ったこっちゃないとばかりに。
夜濯の夫よ三番から歌ふ 柏柳明子
歌いながら洗濯。夫も、それを聞く妻も、なかなかいい感じ。「え? なんで三番から?」という軽微な不思議が、またなかなか。
ところで、俳句では、夫を「つま」と読ませることが多く、この句も七音に収めるには「つま」。これ、かなり抵抗があります(とつぜん口語的センスを押し出して恐縮ですが)。《夜濯の夫(おっと)よ二番から歌ふ》じゃあダメなのかなと思ってしまいます。
ポンポンダリア姉の忌日をかぞえます 川田由美子
意味が取りにくい句。ポンポンダリアの語感と見た目が「忌日」とぶつかる。そのぶつかりようは、「かぞえます」の意味の取りにくさとうまく機能。
降る雪のあはひを雪の影降れり 齋藤朝比古
本格。雪の実体と雪の影と。雪が降るのを観ていると、たしかに2つのものが互いに「あはひ」を降るかのようです。
爪伸びて確定申告終へにけり しまいちろう
爪から確定申告はなかなか意表。
≫置く眼鏡 『豆の木』第19号の大田うさぎ
http://sevendays-a-week.blogspot.jp/2015/05/19.html
≫日常と祝祭 『豆の木』第19号の岡田由季
http://sevendays-a-week.blogspot.com/2016/07/19.html
≫水の音 『豆の木』第19号の近恵
http://sevendays-a-week.blogspot.com/2016/07/19_20.html
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