2016/07/20

■水の音 『豆の木』第19号の一句

噴水の音は途切れて石の中  近恵

噴水がやむとき、水が噴出口に吸い込まれるような感じ。そのとき音も一緒に(土台の)岩の中に閉じ込められる。微妙な瞬間・空間を呼んだ句。語順を換える(「音」と「途切れて」の位置)手もありますね。


プールからあがる大きな音をたて  同

こちらも音の句ですが、読み手の意識は、身体のクローズアップへと。

聴覚的なようでいて、じつは視覚的な句。


掲句は『豆の木』第19号(2015年5月5日)より。

【過去記事】
日常と祝祭 『豆の木』第19号の一句
すじりもじり運動 『豆の木』第19号の一句
置く眼鏡 『豆の木』第19号より

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