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ところで、いま話題の憲法改正。悪評紛々の自民党改正草案。第二十四条(家族、婚姻等に関する基本原則)は、こんなぐあい。
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「家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。家族は、互いに助け合わなければならない。」との前文を追加。
現行の「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立」の「のみ」が削除され、「婚姻は、両性の合意に基づいて成立」。
噴飯物の前文もさることながら、「のみ」の2文字削除は、ぞんがい大きいそうです。カジュアルにいえば、ふたり以外も口を挟める。
個人が見いだされ、人権が獲得された、というのが、歴史の大きな流れだと思っていました。この改正草案は、百年以上過去に後戻りしたような感じです。
憲法改正一般について、私の見解は、「変えたほうがいいとこは議論して変えたらいいんじゃないの。ただし、現政権による改正は絶対ダメ」というもの(この意見、わりあい分厚く存在すると思っています)。事態を硬直化させる「護憲派」には与しないけれど、だからといって、いまの政権に改正やらしちゃ絶対ダメ。それは、この改正草案・第二十四条だけを見ても明らか。
「家族」を、乱暴に称揚されても、困っちゃいます。この「改正草案」のおかげで、映画やドラマの「家族愛」への嫌悪がいや増してしまった。
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で、ちょっと別の角度から。
竹井紫乙句集『白百合亭日常』の18ページに並んだ3句。
現れてみたり消えたりしてる父 同
リビングで暗い未来が咳をする 同
コクのある家族像。
ポンコツ映画が謳う「家族愛」からは遠い。
なお、3句目、「暗い」とあるのに、あまり暗い感じがしないのは、句の並びのせいかもしれません。どこにも行ってしまわない母、現れっぱなしの父のほうが、よほど暗い。
家族にも家族愛にも、昨今いわれるところの「ダイバーシティ」を期待したい所存であります。
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