2016/05/12

■組句:森林

父方といっても花の森のこと  野間幸恵〔*〕

あたたかな橋の向うは咲く林  宮本佳世乃**〕


森と林の違いは、木の本数ではないようですね(なるほどという説明≫こちら)。

あたたかな光に満ちた橋の向うは、諸々の美しい花が咲く林。こう読んでくると、〈あたたかな橋〉は天国への入口のような、あるいは彼の世と此の世を結ぶ、能の橋掛かりのような不思議さを帯びてくる。(相子智恵)
http://hw02.blogspot.jp/2016/05/blog-post_9.html

「父方」という出自=時間にも、「向う」という距離にも、シャグリラ感。花の威力でしょうか。


〔*〕野間幸恵『WATER WAX』(2016年1月/あざみエージェント)より

**〕『オルガン』第5号(2016年5月)より

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