句読点も「くぱぁ」(句の中の1字アキ)もない俳句において、この〔終止形連体形同形動詞〕はときに事件を引き起こします。
ぼーつとしてゐる女がブーツ履く間 髙柳克弘
この句ね、
ぼーつとしてゐる女が///ブーツ履く間
一瞬、こう読んじゃいましたよ。
いやいやいや、違う。違う。この句はもちろん、
ぼーつとしてゐる///女がブーツ履く間
と読むべきなのです。
「をり」「をる」と終止形・連体形が別のかたちをとる動詞のありがたみに、ときどき思いを馳せてもいい。そんな思にかられる出来事でしたよ。今回の、「ぼーっとした女」事件は。
掲句は髙柳克弘句集『寒林』(2016年5月/ふらんす堂)より。
0 件のコメント:
コメントを投稿