2017/03/21

■「ねじ」について 『川柳ねじまき』第3号(2017年1月15日)より

「ねじを巻く」という言い方、あまりしなくなったような気がしますが、「ねじまき句会」という名称は、怠け者の私にはよくわかる。ふだんだらだら過ごしているが、ここはひとつアタマをしゃきっとさせて、句をつくろう、句を読もうという感じ。

ただ、一方で、ねじが1本抜けた句がよい(小川軽舟さんが言っていた)。

ねじがぜんぶきちんと締まっている句は、「がんばってる」句ではありますが、コクやら広い意味での面白みが足りない。

川柳は、どうだろう。

ねじが1本抜けた川柳、ヘンな締め方のしてある川柳、ねじの曲がった川柳が読みたい。



以下、『川柳ねじまき』第3号(2017年1月15日)より、御一人様御一句。

ふくろうとまめでんきゅうが鳴き交わす  なかはられいこ

安売りのチラシの上を走る8  中川喜代子

納豆の糸をひらひらさせちゃって  瀧村小奈生

きつねにばかされないようにいっぷく  妹尾凛

クリストファーと名付けたくなる朝がある  魚澄秋来

全面表示画面で覗く臍の底  安藤なみ

夕焼けにバケツを鳴らすウルトラマン  犬山高木

あの家も曇りときどき無計画  青砥和子

元彼が静脈瘤で待っている  米山明日歌

声になる手前の笑い桑畑  八上桐子

明朝体コチョコチョしても笑わない  三好光明

柿の木から落ちた客室乗務員  丸山進

もはやもう紅組でさえない幸子  猫田千恵子

雨脚のだんだん強くなる頭  二村鉄子



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