2020/11/02

■象と老眼鏡 『みしみし』第7号より

一喝に象は座りて冬はじめ  岡村知昭

暖冬や老眼鏡は踏まれたる  同

『みしみし』第7号(2020年秋)に収録された岡村知昭「花子」10句の最後の2句。こう並ぶと、象が老眼鏡を踏んだ(それも足ではなく尻か胴体で)として思えない。一句ずつだと、まったくそうは読めないが作者の意図だと思う。

躾けられた象、皺だらけの胴体、老眼鏡、それらすべてが冬とよく合う。冬はモノを古びさせるのかもしれない。

そうなると、この2句の前に置かれたこの句も、なんだかとても不穏なのだ。

筋弛緩剤の空瓶暮の秋  同


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