18 小津夜景 2018-5-1
ゆく春や子象を抱いて(泌尿器科)
老いらくの(皮膚科)なりけり雲の峰
さみだれの桃色となる(リウマチ科)
朝霧に濡れるオトナの(内科)かな
磁気吸うて白き虹斬る(肛門科)
夏草のベッドで燃え上がる(麻酔科)
秘儀のごとゼリーふるえよ(呼吸器科)
ジョンソンラヴズジョンソン白玉ジョンソンコントロール(言語療法科)
いかづちや恋の古傷(胸部外科)
17 川合大祐 2018-4-28
5 REM ###MUGEN SENRYU SEISEI###
10 LET H=1
20 FOR S=0 TO S=H
30 FOR R=1 TO 17
40 INPUT X$(R)
50 NEXT R
60 FOR U=1 TO 17
70 PRINT X$(U);
80 NEXT U
90 H=H+1
100 NEXT S
RUN
? イ
? キ
? モ
? ノ
? ノ
? マ
? ロ
? ミ
? ヲ
? オ
? オ
? エ
? イ
? ケ
? ブ
? ク
? ロ
イキモノノマロミヲオオエイケブクロ
?
16 喪字男 2018-4-24
幽霊が付録洗濯機が届く
→寸の回砂砂砂砂千の回→
エジプトがトランペットを眠らする
どこまでも鈍行愛を丸呑みに
ことことと煮るなりやっぱ固かったん?
くれそうでくれなさそうでただじわる
上りも下りも右側をご利用ください
15 西原天気 2018-4-15
14 なかはられいこ 2018-4-10
朝まだき白地に赤く味の素
凍結の路面キラキラ味の素
席に着くみな味の素握りしめ
祖母は振るなんにでも振る味の素
センターに立つのは赤で味の素
笛吹けば駆けつけるのが味の素
アイドルでヒーローだった味の素
味の素うまれる前のことを言う
バングラデシュの鈴木さんから味の素
花びらが降るのか味の素なのか
13 川合大祐 2018-4-6
月がばと星ぼしくらうぱっくまん
名月のしたにふたりでころしあう
まだ月を亀からもらうまどのなか
ごむの月のぼれば罰というすくい
海のみず月さびてゆくじけいれつ
わかものの月とかがやくさざれ石
たてものが半月のせてくずれるよ
おにがくるある月からのながい針
友だちのいぶくろ月とともにさる
あれが人だとならう月およぐまち
さばくからついてくる月はるは雨
きおくやら牛やらまだら月きえて
ぶつぞうになれないとどへ月の壁
きが沈むつきのかたちでない月が
春のなかきかいののうのくるう月
12 小津夜景 2018-4-5
花ぐもり一羽の鳥を調律す
菩提樹に溺れ二匹の美僧かな
ハンブルグ三滴の春したたらす
さしぐみてわが巡礼の四月馬鹿
射干玉の鳴るにむらがる藤五房
六体の耳さまよへる伽藍かな
天蒼ざむ七挺の手をうづめられ
八杯のふいに言問ふフォルテかな
九龍や此処はうつつの旅にして
十字切る蟬のはごろも匂ふ日は
11 西原天気 2018-4-3
10 なかはられいこ 2018-4-1
一年でいちばん忙しい三月に咲くのはやめてほしかった。
おかげであなたを見にゆけない、しかたがないけどあきらめきれない。
うちの神社のうちの桜とうちの空
桜から手が出て尾張一宮
言い方も態度もソメイヨシノ的
目を瞑るさくらもくれんねこやなぎ
舐めてみる桜に触れてきた指を
うちの神社のうちの桜とうちの空
桜から手が出て尾張一宮
言い方も態度もソメイヨシノ的
目を瞑るさくらもくれんねこやなぎ
舐めてみる桜に触れてきた指を
真昼の地下の6畳のキッチンのデニム地の中の窮屈そうなケツ
ここでは
鳥が吹いている
鳥が吹きつけている
この状況をどないsoon?
俺はただただお前のために
撃つよ
カラシニコフで
撃つよ
弾丸ではなく
歌舞伎揚を
8 小津夜景 2018-3-22
《MENU SPECIAL D’ÉTÉ》 ♥♥♥♥♡
BOISSON
まむしのアペリティフ、復活の呪文風
ENTRÉE
満月に隠された蠍のタルトレット
わさびの花をあしらった裏窓の娼婦風サラダ
ENTRÉE
満月に隠された蠍のタルトレット
わさびの花をあしらった裏窓の娼婦風サラダ
6つのエスカルゴ、大蒜の魔よけソースで
PLAT
太陽の恵みたっぷり青蛙のフリットと
純白ドレスのアスパラガス(泡風呂ソース添え)
DESSERT
片目の美女風アルマニャック
黄泉がえりのパパイヤ・ソルベ
PLAT
太陽の恵みたっぷり青蛙のフリットと
純白ドレスのアスパラガス(泡風呂ソース添え)
DESSERT
片目の美女風アルマニャック
黄泉がえりのパパイヤ・ソルベ
6 西原天気 2018-3-8
びつしりと去年の落ち葉や蝌蚪の下
土を見て土のうへなる梅を見て
星状のひかりの落ちてゐる干潟
5 小津夜景 2018-3-6
4 なかはられいこ 2018-3-2
三月の空のどこかに蝶番
音読をすればぽぽっと梅の花
いそぎんちゃくと夜汽車いっときずれて鳴く
握ったら指のすきまをはみでる暮らし
春だから前髪自身おろそかに
3 垂直にまつわる3つの引用 quoted by 西原天気 2018-2-24
するとそこには、一人の天使と(相變らずこの言葉が、私を不安にし、誘惑し、氣持をわるくします。彼等に翼がある位なら、齒だつてないでしようか? 彼等はあんな重い翼、羽根の生えた翼《神秘な翼》で、翔ぶのでしようか? そして堕ちると變える天使という彼等の有難い名のおかげで、木乃伊になるのでしようか?)
ジャン・ジュネ『花のノートルダム』1944/堀口大學訳/新潮社1953
それにしても、イカロスはほんとうに墜落していくのか。イカロスは、やがて海中の深みに行って、すっくと立ちあがるのではないだろうか。
ガエタン・ピコン『イカロスの墜落』1971/岡本太郎訳/新潮社1974
「でも」とセラフィトゥスは答えた。「あなたはもっと広い空間を恐れずに見ているではありませんか」 p24
…
セラピムは飛び立つためにそっと翼をたたんだ。もう二人の方は振り向かなかった。もう《地上》とは何のつながりも持たなかったのだ。 p229
バルザック『セラフィタ』1835/沢崎浩平訳/国書刊行会1976
2 小津夜景 2018-2-23
深夜28時…。
タルホニア博士は星型をした硝子の器に、新種のモリアオガエル式アンドロイドを浸しては、ひどく神経質な手つきでその青白い脚を洗っていた。窓の外では、ほわわん、ほわわん、と粋な超おんぱを奏でながら、雑種のコウモリが飛んでいる。コウモリは、この時代にしてなお生身の身体を死守しているファンキーな蛮族だ。
1 なかはられいこ 2018-2-22英虞湾はしずか遠心力により
夜はまだ四つに畳まれたまんま
ひかがみが輝きここは泣くところ
しゅるるんとコードをしまう鳩尾に
●
タグ:連鎖ゲーム
6 件のコメント:
13番目、川合大祐さん、ありがとうございます。
次は、なかはらさん、お願いします。
その次の15番目は募集にしましょうか。
(進行について、いまだ決めきれず、いろいろ考え中です。困ったことです)
なかはらさん、ありがとうございます。
15番目はどなたかはじめての方、いかがですか?
このコメント欄にお名乗りでも、
tenki.saibara@gmail.com 宛てご連絡でもどちらでも結構です。
なかなかお名乗りがないので、私が付けました。
物置きの奥のダンボールから出てきた40余年前の督促状。
次の16は、喪字男さん、いかがですか?
天気さま
コメント見てませんでした…。
しかしこれ、面白いですね!
喪字男さん、ありがとうございます。
18。小津夜景さん、ありがとうございます。おもしろい。
次は私がつけようと思います。
19。安易に続けました。
次は、なかはらさん、いかがでしょう?
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