(レンタルDVD)1998年、アメリカ
映画『レスラー』に、監督アロノフスキーの手腕を感じたので、旧作を観てみることに。
この「π(パイ)」はアロノフスキー29歳、低予算のデビュー作。
簡単にいえば、数字に取り憑かれた数学者の妄想。スタイリッシュなモノクロ画面。音楽も金属音中心でスタイリッシュ。
でもね、こういう妄想(幻想)映画って、「きっと現実のほうがむしろ幻想的だろうな」と思わせた時点で負けだと思うんです。つまり、難問に取り憑かれて一生を棒に振るような生き方をしてしまう天才数学者って、実際にいるわけで、その人の例えば1時間ドキュメンタリーのほうがよほどおもしろいだろうな、と、一瞬でも思わせたら、幻想・幻影としての映画の負け。劇場で観ていたら、違うのかというと、それほど違わないだろう。
星、1つ半。
この手のカッコいい映像というのは、観ていて、かなり恥ずかしい。たびたび繰り返しますが、「カッコいいって、なんてカッコ悪いんだろう」。
まあ、でも、この映画のモノクロ処理は、低予算のアラをカバーするための方策とも思え、その意味では、「クレバーな監督」という自分の中の評価は変わっていません。
『π』(1998年)から『レスラー』(2008年)へ、アロノフスキー監督も成長したんですね。子ども(若者)からオトナへ。
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