≫承前
ずいぶん間があきました。解題、忘れていたわけではないのです。
(…)
すんまっせん! 忘れてましたぁ!
さて、すでに名残裏に入り、いよいよクライマックスかつ物語の収束へ。
虹のむかうに靴放り投げ 乙
全句の「歩」(将棋)から靴。巧みで軽やかな付け筋。
虹のむかうに靴放り投げ 乙
全句の「歩」(将棋)から靴。巧みで軽やかな付け筋。
牛頭馬頭とヒッチハイクで品川へ え
靴を投げて行き先を決めたような一場面から、行き先(品川)と同伴(牛頭馬頭)と方法(ヒッチハイク)を指定。現在の品川だけじゃなく、品川宿の趣きも。
もつとひかりを(レモンヱロウの) 之
どう付いたのか忘れたが(無責任)、夜になっちゃって道が暗いみたいにも読めて、面白い。ゲーテ臨終のことばが原典だから、名残裏に死はまずい、ということも言えるんだけれど、ここはまあオッケー、と(融通無碍、いいかげん)。
剝落の花となりたるフレスコ画 景
ひかりから絵画、それもフレスコ画への展開はきれい。前句のある種破綻から、流れを落ち着かせ、なおかつ花の句として美しい。
千年かけてふらここを漕ぐ オ
長大な時間にふわっと付けて、あざやか。「漕ぐ」で、発句の自転車に立ち返り、36句が円環を成す、という、素晴らしい挙句。これにはうなりましたぜ。
というわけで、巻くよりも時間がかかったんじゃないの? という解題。これにて「終わり」でございます。
また、頃合いを見て、巻きたいですね。そのとき、どんな連衆(メンバー構成になるかわかりませんが)、よろしくお願い申し上げます。
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