回文俳句は、20世紀の終わり頃の一時期、少しだけ作ったことがある。回文大魔王として知られる井口吾郎さんが近くにいたこともあって、たくさん作る気にはならなかった。吾郎さんひとりで供給は足りている。
備忘録として、掘り起こしたマイ回文俳句を。
何億個葬列を連れ嘘こく女 10key(以下同)
「嘘こく」は関西弁。この句が最初だと思う。「嘘こく」でもういっちょ。
馬齢嘘こきあの矢野顕子総入れ歯
こちらは人名も入った。
関西弁だと、
昆布みな猥褻でつせ岩波文庫
これは自分で好き。昆布は猥褻なかんじがするし、岩波文庫とうまく照応。
あといくつか。
魔の言霊いきつつ月いまだ床の間
気圧は苦しきシルク初秋
自由律ふう。
烏賊食はば残るこの場は苦界
椎の実や野分の際の闇の石
季重なりのオソマツ。
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