あのね、率直に言って、「自生地」という書名に決めたって聞いたときは、ピンとこなかったし、少し前、amazonにアップされた書影を見たときは、だいじょうぶかと思った(あまりにチャレンジングな帯デザインだし)。
で、昨夜、落掌。
中身より先に本の造りをいろいろと眺めたのです。本文レイアウトはもちろん、目次やあとがき、奥付の処理とか、それはもういろいろ。デザインだけじゃありません。手にどう収まるかとか、ページがどうめくれるかとか。指でなでまわしたりもしました。
おもしろい。
いい。
意識や気持ちの行き届いた造りです。担当編集さん、ナイス。
私は、本の意匠については保守主義なほう、伝統重視、機能が書物の美を促す派。『自生地』のそれは保守・伝統の部類ではないのですが、それでも、ナイスと思った。
帯の惹句を書店員さんたちでまとめたのは良いアイデア。ほかに例を知らない。
表紙の基調色は、amazonで見る書影よりもニュアンスのあるベージュ(個人的な趣味で言えばもっとニュアンスが欲しいけど。質感も含め)。
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中身については、まだ途中までしか読んでいないので、またあらためて。
でも、ひとつ。
冒頭の1ページで、ちょっとぐっと来た。
こういう仕掛け方があったんだなーと。
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ほかにないような句集ってことは、いろいろな面、いろいろな要素をもって確実で、この『自生地』の成功がほぼ見えた。
中身をこれから読み進めて、私がよい読者になれるかどうか、内容(句群)が私にフィットするか、それらは趣味嗜好やらの偶然に過ぎないから、それほど重大でもない。
ユニークであること。「本」として「書物」として、ほかとは違うこと。
句集はそれを軽視しすぎ、ちがう人の別の句集とページが混ざってもわからないような句集、多すぎ、と再三表明してきた。
『自生地』は、ハードウェア、ソフトウェア両面で、ほかと違う顔をしている。
福田くん、担当編集さん、ナイス!
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