2016/06/05

■どんだけ長生きする気やねん、といった感慨 『川柳木馬』第148号より

生き抜こうシーラカンスが笑うまで  小笠原望

シーラカンスは「生きている化石」。種としては数億年生きながらえているんでしょ? すごい!

個体の寿命は100歳くらいらしい。これもかなりのもの。

ただ、シーラカンスと聞くと、やはり個体ではなく古生代以来ずっと地球に棲んでいるという、その種の時間の長さですよね。

そんなシーラカンスですが、笑う? 笑うイメージはない。きっと数億年、笑っていないと思いますよ。どちらかといえば仏頂面。

そいつが笑うまで生き抜こう、というのですから、ちょっと気の遠くなるような話。この先、どのくらいなのか? 数億年単位でしょう。

ここにある、生き抜く覚悟、というか意欲は、ちょっと想像を絶しています。スーパー。

わざわざ句にするなら、これくらいスーパーがよろしいです。


『川柳木馬』第148号(2016年4月)の巻頭は特集的に「作家群像 小笠原望」。60句が並ぶ。掲句はそのうちの一句。


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