2016/06/28

■家族

すこしやわらかい林檎のような結婚  こしのゆみこ

ちょっと心配な感じ。でも、それが結婚の喜び? 微笑ましさ? 

歯ごたえのない結婚?

まあ、意味などどうでもいい。直喩がきちんと意味を伝えると(つまり「よくわかる」と)、むしろつまらない。ひざポンの直喩の賞味期限は一瞬。

わかったようなわからないような(すこし「わからない」寄り)。直喩は、それがよろしいです。

いずれにせよ、ムードと質感で読む句。


父の手に春の小川を流しけり  同

父モノの多い作者。これまでの父キャラと同様、〔ほんわか感+せつなさ少し〕の路線。「ちょっと~、起きてよ、おとうさん!」な感じ=《昼寝する父に睫のあり こしのゆみこ》はこれまでと変わらず。


掲句は『豆の木』第19号(2015年5月5日)より。


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