l'écume des jours by tenki saibara 〔come rain or come shine〕
湯本駅を降りて三枚橋を渡った。とりあえず対岸の箱根町立郷土資料館に展示してある『七湯(ななゆ)の枝折(しおり)』の模写図を見ておこうと思ったのである。文窓(ぶんそう)・弄花(ろうか)『七湯の枝折』全十巻。湯本、塔の沢、堂ヶ島、宮ノ下、底倉、木賀、蘆の湯の箱根七湯を絵詞風にまとめた江戸の箱根案内(文化八年、一八一一年)で、文窓が本文を書き、弄花が絵を描いた。文窓、弄花がどういう人物かは分かっていない。ただどちらかが医者か儒者だったのではないかと思う。種村季弘『日本漫遊記』(1989年/筑摩書房)
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