近未来小説の紙魚光りけり 加藤静夫〔*1〕
看板の未来図褪せぬ草いきれ 榮猿丸〔*2〕
関心事の小部屋、というとりっぱすぎる、整理箱がいくつもアタマの中にあって、その側面に例えば「レトロフューチャー」と書いて積んでおくのはちょっと恥ずかしいので、上記のような俳句のほうが、まだしも。
句は、それ自体の内容よりもむしろ、端緒。夜店の籤の紐を引っ張るとなにかがくっついて現れるといったたぐいのものと捉えると、愉しい。
(インデックスだから、標準的な書体の印字とか、小さな手書き文字がいいのですよ。色紙に大仰な揮毫じゃあダメ)
他方、こうも言える。スイッチほどの小さな俳句が、よろしいです。ぱちんと押すと、もにょっとなにかが始まるような。
〔*1〕加藤静夫『中略』(2016年5月/ふらんす堂)
〔*2〕榮猿丸『点滅』(2013年/ふらんす堂)
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