2016/09/03

■俳句は中略

ポインセチア(中略)泣いてゐる女  加藤静夫

女が泣くのには、それなりの経緯や背景があるのだろう。そこは略す。

俳句は、たいてい、細かい事情を抜きにする。説明している暇はないので。

とすれば、この句、俳句らしい俳句。というか、メタ的要素のある句。

ポインセチアの鮮烈なイメージと後半のドラマを「(中略)」という変則でつないで飄逸。


掲句は加藤静夫『中略』(2016年5月/ふらんす堂)より。

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