2009/06/12

盗作の顛末

『〈盗作〉の文学史~市場・メディア・著作権』(栗原裕一郎・新曜社・2008年)は、アカデミック風・社会学風の副題から想像するのといささか違い、分析や論理展開はほとんどなく、事実(顛末)説明がもっぱら。それはそれでおもしろく読めた。500頁近いその分厚さが事実の記録で埋め尽くされるだけに事例数は相当のもの。

盗作騒動は、盗作それ自体がどのような体のものか、より、むしろ、騒ぎになったときの「盗作者」の態度の如何が興味深い。

『「パクリ・盗作」スキャンダル事件史』(別冊宝島編集部編・宝島SUGOI文庫・2009年)もついでのように読んだが、こちらは少しとりとめがない。音楽分野の「パクリ」を、文芸作品と同列に扱うと、やはり妙なことになる。

0 件のコメント: