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『言葉のゆくえ』(坪内稔典・永田和宏・京都新聞出版センター・2009)を読んでいたら、
皮を見るバナナの皮は手より落ち
との掲句(p48)。
高浜虚子作として知られる句は、掲げるまでもないが、
川を見るバナナの皮は手より落ち
対談記事だから、録音を聞いて原稿に起こした人が「川」を「皮」にしちゃった誤植で、編集者の校正にも著者の校正にも洩れたのだろう(しかし洩れるか、こんな有名句)と思ったその直後、ひょっとしたら、虚子は「皮」でつくって、掲載時に「川」と誤植され、「あ、このほうがいい」と「川」を採用したという可能性もあるなあ、などと、しょうもないことを考える。
オリジナルは「皮を見る」だった説。
ないか。ないな。
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