この数日、雷がすごい。窓を開けて、しばし見物。視界全部がフラッシュを浴びたように浮かび上がる。そのあと大音響。
ところで、むかし、電気的に加工された音楽(という言い方も奇妙ですね。つまりナマの楽器や声ではなく電子楽器やアンプ・スピーカーを使った音楽)は、保守的な音楽愛好家からは忌避された。ロックバンドもそうだし、ある種の現代音楽もそう。音楽の伝統からすれば、「現代風」にちゃらちゃらした音楽のように受け取られることが多かった。ビートルズの長髪が「不良」っぽいとされた時代のことで、今から思うと奇妙な風潮ですが、実際、そんな雰囲気はあったのです。
そうした忌避、「新しい音楽」への否定的な見解に、冨田勲という人が異論を唱えた。「なにを言っているのか。人類最初の音楽的快楽は、雷鳴だったにちがいないのだ。電気的な音楽は、新しくもないし現代的でもない。最古の音楽なのだ」
…と、これはむかし友人から聞いた話。冨田勲が実際そんな反論を披瀝したかどうか確認はしてない。その友人は、本で読んだのか、なにかを観たのか、それもわからない。ともかく、それを聞いた私(たしか高校生だった)は「なるほど」と深くうなずいたのでした。
そんなことを、雷の大音響を聞きながら思い出したわけです。はい。
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