西部開拓時代のアメリカ。ひとりの男が馬車で西をめざす。ところが途中で車輪を岩にぶつけ、荒野のまんなかで立ち往生。あとからやってきた馬車から、衣服と交換に食糧を分けてもらう。車輪の修繕には時間がかかった。それからまたやってきた馬車と、物々交換で、必要品を手に入れる。
男が立ち往生したその場所に馬車を停めて、西に行く途中の馬車と物々交換や売買を始める人間が現れる。それがひとり増え、ふたり増え、やがて町になり、町はしだいに大きくなり、何百年か経って、人口数十万の都市になった。
地勢、気候、政治的・文化的位置関係その他によって、そこに都市が生まれたのではない。はじまりは、ひとりの男の偶発的トラブルだったのだ。
と、これは、ミッシェル・セールという人の本で読んだ話のうろ覚え。どの本かも忘れた。
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