「だめ」という言い方には、相応の愛情が含まれているという前提で。
「ジャケ買い」という用語はずいぶん前から定着している。ジャケとは、レコードやCDのジャケットのこと。中身(音楽)の確信なしに、ジャケットに惹かれて購入すること、くらいの意味だろう。
「ジャケ買い」がさらにマニアックになった「聞きジャケ」という趣味/娯楽(?)もあると聞く。「聞き酒」のもじりというところから想像するに、ジャケットを見て、未知のアルバム/未知のミュージシャンの中身の音を想像してしまう行為なのだろう。
ジャケットもレコード・CDの重要な一部なわけだが、なかには「だめジャケ」もある。というか、かなり多数に。
例えばソウルは全般に、だめジャケ比率が高いように思う。歌い手のにこやかな写真がただ飾られているパターン。ステージ衣装(歌手の正装)ならまだしも、「ひょっとして普段着?」的にグダグダの写真とか。
そんななか、愛すべき「だめジャケ」(ソウル系)を1枚。
Harold Melvin & the Blue Notes; Collectors' Item (All Their Greatest Hits!)
わざわざイラスト、なのに微妙なヘタさ加減、という点が、どうにもこうにも「だめジャケ」。にもかかわらず、なにかこう、激しく心を揺さぶる「だめさ」なのだ。
ハロルド・メルヴィン&ザ・ブルー・ノーツ (活動期間 1960 - 1997)は、フィラデルフィア・ソウル(いわゆるフィリー・サウンド)のビッグ・ネーム。ジャケはだめでも、お唄は、ぜんぜんだめじゃない。
YouTube から 代表曲 The Love I Lost。現役当時ではなく、懐メロ番組への出演と思しい。
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