2009/06/11

クストリッツァ監督「アリゾナ・ドリーム」


ライフ・イズ・ミラクル」と「黒猫・白猫」とたてつづけにDVDを観て、どちらもたいへんに面白かったクストリッツァ監督の1992年作品。主演がジョニー・デップで、ヴィンセント・ギャロが出ていて、ジェリー・ルイス、フェイ・ダナウェイという「特典映像的」キャスティング。おまけにベルリン国際映画祭銀熊賞受賞。

となれば期待しないわけには行かない。

ところが、どうしたんでしょう? クストリッツァは2本を観て、「相性ぴったし!」と惚れ込んでいたのに、この映画…。

なんというんでしょう、この邪魔臭さ。

夢とか言われても困ってしまう。わかりにくいというのではなく、むしろ言いたいであろうことはダイレクトに構成されていて、それだからよけいに退屈。ジョニー・デップのナレーションが多くて、これがまた巧いというか魅力的なので、よけいに「ことば」的、言い換えれば思念的な映画になってしまったような気がします。

ジェリー・ルイスのキャスティングはツラかった。アメリカ性を体現して図らずも滑稽(かつ悲哀)という役どころだと思うが、「いにしえの滑稽」感がかなり浮いていた。


星、ふたつと半分。「ふたつ」でもよかったけど、ヴィンセント・ギャロが良かったので「半分」プラス。


さあ、気を取り直して、「ウェディング・ベルを鳴らせ!」(クストリッツァ監督j最新作。まだロードショーやってるはず)を観に行きましょう。

2 件のコメント:

玉簾 さんのコメント...

あ、これ見ました。ホント、夢とか言われても困ってしまいます。テーマはこんなに重いのに。フェイ・ダナウェイの気迫は凄かったなあ。義理の母子の女の複雑な思考回路とその関係が心地悪くてちょっとまいっちゃう。
口当たりは柔らかでdreamyなんだけれど結局何も解決していない。それを「とある若者が見た人生でのひとときの夢」にくくって魚に掛けてしまうにはあまりにも中途半端に切なくて非常に重い気分になりました。役者全員上手いのでこれまた質が悪いのです。好きな内容の映画ではないですが、非常に気になる映画の一つです。

tenki さんのコメント...

クストリッツァはアメリカと相性が悪いんじゃないでしょうか。