一句目は、だいじ。
拾ってみる。
編年体だと、一句目にどんな句を持ってくるかはある程度限定される。なので、編年体じゃない句集から。
女子五人根性焼きの手に氷菓 関悦史
『六十億本の回転する曲がつた棒』(2011年)。この一句目、かなり好き。ただし、連作構成。まずもって「日本景」が冒頭にあり、その一句目がこの句。
少女みな紺の水着を絞りけり 佐藤文香
『海藻標本』(2008年)。大ヒット曲を最初に持ってくるパターン。ちなみにビートルズのアルバム『レット・イット・ビー』の1曲目は「レット・イット・ビー」ではなく「トゥ・オブ・アス」。アルバム『ミート・ザ・ビートルズ』の1曲目は「抱きしめたい」。『海藻標本』は後者パターン。
空は晴れて自転車を磨く布はないのだ 山田耕司
『大風呂敷』(2010年)。無季。抜けがいい見開きの写真を最初に持ってくる感じ。
黒南風や生まれも育ちも魔法瓶 佐山哲郎
『じたん』(2001年)。「生国と発してましては」。挨拶で入るが、ただの挨拶ではない。
いちじくを食べた子供の匂いとか 鴇田智哉
『凧と円柱』(2014年)。
花の闇ひらくに銀の鍵使ふ 鳥居真里子
『月の茗荷』(2008年)。
句集をつくるための「傾向と対策」にはならず、好きな句をならべるだけの作業になりそう。とはいえ、著者(俳人)の意思・意図がなんとなく伝わる感じもある。
自分がこの次つくる句集の最初の一句を何にするのか。楽しみ。
なお、『けむり』(2011年)の最初の数句と最後の数句は、わりあい考えました。途中はなりゆきだけどね。
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