〔*〕そんなこと言っちゃいけないのだ。
28人の最初は、石田柊馬(1941-)
ブロッコリーをかきわけてゆく三輪車 石田柊馬
石田柊馬の100句には切れ字(や、かな、けり)がある。川柳業界には切れ字の忌避があるとのことですけれど。
2人目の石部明(1939-2012)。こちらの100句にも切れ字「かな」が1句ある。それはそれとして、死と暴力と夜空のモチーフ(凶々しい処理も多い)が散在…
全身にもらってしまう月の痣 石部明
絹糸の括られている死後の朝 同
どこからも見えて性器の睡る空 同
…するなか、いちばん好きになったのは、
ボクシングジムへ卵を生みにいく 同
という句。
〈あっけあらかん〉が、どうも、自分の好みらしい。
●
おふたりぶん、200句を読んで、思ったこと。
1 内容(モチーフ、材料、技巧)とはべつに、口吻・口調が作家の輪郭をかたちづくる(という当たり前のこと)。
2 「現代川柳」という語は、少なくとも「現代俳句」よりは意味をなす。
まだ、もうすこし、このアンソロジーを取り上げるつもりです。
0 件のコメント:
コメントを投稿