電話機も便座カバーも撫子で 岡野泰輔
主婦は、なんにでもカバーを掛けたがる。偏見かもしれませんが、当時はたしかにあったんですよ。ティッシュボックスとかも、そう。キルティングだったりしてね。金井美恵子がエッセイかなにかで、その行為は避妊の延長である、と(意地悪く)断じていたような記憶が。
主婦に恨みはありませんし、嫌いでもないのですが、自分にとっては〈異文化な人〉かな?
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一方、〔なぜに花柄〕な件も、テーマとして残ります。
≫小津夜景 花のタイルと地中海
リンク先には、
1600 年代に磁器や着物から始まった「花柄」は、やがて様々な商品に採用されていきます。高度経済成長期には殺風景な『ちゃぶ台』に華を添えるとして、花柄マホービンが大ヒットしました。とあって、17世紀・柿右衛門に「花柄」の源流を見いだすなど、なんだかすごいけど、ちょっと違う気もする。この脈絡で柿右衛門は。
さらに、親切な方から教わった記事。
≫魔法びんはかつてなぜ花柄だったのか?
http://portal.nifty.com/kiji/131120162410_1.htm
花柄の魔法びんは1967年(昭和42年)に、大阪の魔法びんメーカー「エベレスト魔法びん」が発売したものが最初だ。(…)エベレスト魔法瓶の西岡社長の言葉としてこんな言葉が載っている。『適齢期になった女性が訪問着をほしがるように魔法瓶では花柄を求めると思う。これは花柄が良いかどうかはムードの問題だ。魔法瓶業界もデザイン、色彩面で適齢期になってきたということだろう。』●
と、まあ、高度経済成長期は、主婦と花柄の時代、というわけです。
掲句は岡野泰輔『なめらかな世界の肉』(2016年7月/ふらんす堂)より。
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