うららかな日なり一軒壊す音 大崎紀夫
一棟ではなく一軒。スケールが伝わる。そんなに大きくはない。「音」だから、解体の光景そのものが見えるわけではない。
家の原型はもうとどめていないのだろう。
郊外の、まわりに畑が残っていそうな立地を思うのは、「うららか」効果か。
掲句は大崎紀夫句集『ふな釣り』(2016年7月/ウエップ)より。
ほか気ままに数句。
ぶらんこの下の凹みを蹴りにけり 同
よく晴れて昼しづかなる祭かな 同
ががんぼが窓かきむしり港に灯 同(≫参照)
葱を抜く電線に日はかかりゐて 同
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