2016/12/22

■霊もまた 柳本々々の一首

「霊もまた緊張するの」と彼女が言ういろいろ話が進み過ぎている  柳本々々

具体的な物語を連想するのは、読者の在り方として正しいのかどうかはさておき(と言いながら想像してしまうわけですが)、この「彼女」は、ある程度、近距離にいる。結婚を数か月後に控えて、彼は、ちょっと固まってしまった。「考え直すなら、今だ」と忠告したい。忠告に効き目などないのは知っていても。

と、これはベタな物語化。「言う」と「いろいろ」のあいだに、俳句で言うところの「切れ」を見るのがいい。コクが出る。


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