句を変えてみるという話が川柳作家・榊陽子さんのブログにあって。
ササキサンを軽くあやしてから眠る 榊陽子
ササキサンを軽くいたぶってから眠る 同
オリジナルの前者(第17回杉野十佐一賞受賞)が「どうにも生ぬるさが気に食わないので」、後者に変えるという話。
さて、「あやす」vs「いたぶる」。この対決、どちらの勝ちか。
私は、「あやす」が圧勝だと思う。
「あやす」から「いたぶる」へ、句の戦闘能力は減衰したような気がします。
冷酷さにおいて、戦略性において、狡猾さにおいて、暴力性において、「あやす」>「いたぶる」。
ことばはおもしろくて、語気の強い語、攻撃的な語のほうが生ぬるくなったりする。やさしい口調の人のほうがよほど怖い、てことは、世の中によくあることですし、ね。
なお、蛇足ですが、「ササキサン」がオトナであることが、今回の比較の前提。対象がササキサンではなく赤ん坊や子どもなら、このかぎりにあらず。
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